今年は息子も中学3年生で、来春は高校の受験もあり、ディズニーリゾートやUSJでの娯楽の計画はなくなりました。でも中学生最後の夏休み、気分転換も兼ね、1日くらいは日帰り旅行もいいかなということになり、昔よく行った箱根へ行くことになりました。
まず、小田急ロマンスカーのチケットの購入から始まりました。ネットで調べると、展望席の存在が気になりました。展望席はロマンスカーのシンボルとして親しまれ、目の前に続く線路、流れゆく迫力の風景、運転士になったようなわくわく感、それは、展望席でしか体験できない乗車の醍醐味なのです、と言う文言に惹かれました。
先頭車両の三列目位までが、それに相当するようです。最後の車両の前列もそれに当たるようですが、先頭に比べれば迫力は半減するでしょう。申し込み用紙を貰っておこうとあらかじめ、新宿の窓口に行き、そのゲット情報も得ようとしたのです。
1ヶ月前の10時から、窓口以外にネット、電話でも購入できるようですが、何分数が少なく瞬時になくなるとのことです。妻に相談すると、諦めたほうがいいとのことでした。そんなことで、神経をすり減らすより、普通に乗って行ければいいよとのことでした。
昔、箱根によく行ってた頃と同じ新宿7時発の列車に決め、もちろん早めに指定券を購入しようと、一応、1ヶ月前の9時半頃、窓口に並びましたが、私自身、展望席のことは既に諦めていました。しかも、おじさんとおばさんが既に並んでいて、3番目の自分が対応された時は、10時10分位で完全に頭から消えていました。
出発日や人数等伝えて、購入を進めて、最後に小声で「展望席があればそれにしたいですが、ダメですよね。」とふとつぶやくと、しばしして、「三列目なら取れますがどうしますか?」との返答でした。
嬉しさのあまり、その他の確認事項は、もう聞くのを忘れていました。妻にメールすると、『すごい!完全に無理だと思っていたので、もうびっくり!多謝です!!(*´∀`*) キャッキャ♪ 』 でした。
当日日曜日の朝は、平日と同じ6時頃目を覚まし準備を済ませて、家を出発しました。新宿駅構内のいつものお弁当屋で朝食を購入しようと思っていたのですが、いつも開いているその店は未だ閉まっていました。
仕方なく他の店で弁当を購入することにしました。箱根に行く時いつも買う三色位のでんぶが乗った弁当はなかったので、無難な幕の内にしました。妻と息子もそれぞれ好きなものを購入しました。
食後は、車内では恒例となった、ババ抜きのトランプを又行いました。一回目は、自分の手持ちはあっという間に数枚となり、これは幸先いいと喜んだのですが、結局は、一位が妻、二番目は息子で、ババ持ちとなりました。二回目は、又妻が一位となったのち、熾烈な最下位争いを息子とした後、危うく連続の最下位を免れました。
ふと、外を見ると、富士山が見えてきました。確かに通常の座席とは違い、視界は広くパノラマ感が感じられました。ただ、欲を言えばやはり最前列がいいなあと思いました。
窓から写真を撮ったりしているうちに、やがてロマンスカー終点の箱根湯本に着きました。そこから、箱根登山鉄道で強羅まで行き、ケーブルカーで早雲山、ロープウェイで最初の目的地の大涌谷に着きました。
ここでは、硫黄泉噴煙があがる遊歩道の大涌谷自然遊歩道を散策して、硫黄泉で出来たての黒玉子を食べるのを楽しみにしていたのですが、遊歩道は数年前の火山活動の活発化以来、未だ閉鎖中で入れませんでした。
大涌谷駅周辺の売店で5個入り500円の黒玉子を購入し、息子と妻はおいしいと2個ずつパクついていました。1個食べると7年寿命が延びると言われているこの玉子。来春にかけて受験を控える息子が、風邪など引かないで元気で過ごせるように願いながら、私もあつあつの黒玉子を堪能しました。
再びロープウェイに乗車し、終着駅の桃源台に着きました。ここには、芦ノ湖の海賊船が発着するターミナルがあるのですが、過去に海賊船は乗っており、今回の目的は違うところにありました。芦ノ湖を一望する桃源台のビューレストランで昼食を取ることでした。
息子と妻は、ここのお勧めの朝霧高原豚のカツカレーで、私はビーフシチューでした。未だ空いている店内の特等席で景色を一望しながら、皆、満腹になりました。
再度、ロープウェイ、ケーブルカーそして登山鉄道で戻りながら、彫刻の森駅で降りました。
箱根彫刻の森美術館をもちろん見学する為です。
屋外の気に入った彫刻作品を撮影しながら、前から行きたかったピカソ館で世界的巨匠の絵画を鑑賞しました。
息子らはここのショッピングモールで菓子類をお土産に買い、何故か私はここにしかない、箸を買いました。少し前、前歯で箸の先を噛み切ってしまい、どこかで買わなければならないと思っていたのです。
彫刻の森を出発し箱根湯本に着くと、駅構内の売店、『箱根の市』で、帰りのロマンスカーの車内で食べるお弁当を購入しました。この店は夜9時迄開いているのですが、夕方前位になると、お弁当類は完売し、困り果てた経験が過去にあるのです。周辺の店もほとんどが閉店し、売店の乾き物のおつまみ類しか口にする物はないのです。
2時過ぎのこの時刻は、各種のお弁当がうず高く並べられ、どれもおいしそうで、選ぶのに迷ってしまいました。結局、息子は牛豚鶏の肉類が詰まった弁当を、妻はたつ田弁当を、そして私は種々のおかずが散りばめられた、はこね大名弁当とコロッケとメンチが挟まったロールパンを購入し、夜8時位に取りに来るからと預けておきました。
その後、箱根湯本の商店街を散策しました。様々なお菓子や漬物、佃煮類が所狭しと店頭に並ぶ中、息子が小さい頃購入した、寄木細工の伝統工芸のからくり箱を売っている店(藤屋民芸店)を再度訪れました。当時はからくりの面白さで一心に物色していた息子ですが、今は興味も薄れた感じで、何故か寂しい気がしました。
結局、息子は握り寿司の形をした飴を、自分への土産に買っていました。
さて、箱根の醍醐味、温泉を満喫すべく、天山湯治郷に向かうバス停を探しました。
実は、1時間で2本しかないバスの時刻を、あらかじめネットで調べ、さらに、8月のお盆明けの日曜日も、同じ時刻に発車してるか、バス会社に電話して確認するという徹底ぶりでしたが、そそっかしい一面が出てしまいました。その時刻は温泉宿から駅に戻る逆の時間だったのです。まあ、15分待ちで、次のバスが来たのでよかったのですが・・・
天山湯治郷は基本的に日帰り温泉ですが、大きな露天風呂が特徴で、趣のある岩や階段もあり、ゆったりと落ち着いて入浴を堪能しました。くつろいだ雰囲気の中で、息子としばしのコミュニケーションも取ることが出来ました。
宿内に小さな土産物を売っている酒落亭と言う店があり、ふらっと立ち寄り、タオル類や木製の土産品が並ぶ中、珍しいゆずの精油が売られていたので、買うことにしました。店員にいろいろ話を聞き、有機栽培であることも安心しました。グリークではアロマ・マッサージで、特に男性が好むオレンジスウィート等、柑橘系の精油をメインに用いていますが、ゆずはなかなか見かけず、優しい中にもパンチがあるその香りはとても期待されます。スポーツアロマ・マッサージを受ける皆様は楽しみにしていて下さい(笑)。
真っ暗になった中、バスで湯本駅に着くとすぐさま、『箱根の市』で弁当を受取る一方、梅酒やお茶等の飲み物を購入し、帰りのロマンスカーに乗り込みました。着席するや否や、皆、お弁当を食べ出し、やがて電車が動き始めました。
車掌さんが見回りに来て、指定券の番号と席番号が一致するのを確認してきましたが、向かい合わせにシートを回転していた為、少し番号が違っていました。でも、遅い時間の為か、車内は一車両に数名とガランとしている状況で、一言加えながらも笑いながら見逃してくれました。こんなことでも、何か凄く嬉しくなりました。
今年はついに息子に背の丈で抜かれました。息子が自分の横をすいすい歩く中、ふと、幼児の頃ディズニーランドに行った帰り、電車の中でぐっすり眠ってしまい、息子を抱え駅から上り坂の家路をふぅーふぅー言いながら急いだことが、とても懐かしく思い出されました。
もう記憶の中だけになった過去の想い出の世界と、将来への期待のシーンが交錯する中、これからしばらくは、勉学に専念する息子の後姿を見ながら、今年最後の家族旅行が幕を下ろしました。